不妊治療 Reproduction
胚凍結・胚融解
体外受精で得られた胚は、一旦凍結保存しておき、のちの周期で少量ずつ移植することができます。
凍結胚の利用によって、患者さんの負担が軽減され、採卵周期当たりの妊娠率を向上させることができます。また、1回の移植胚数を減らすことで、多胎妊娠の防止にも役立ちます。さらに、卵巣過剰刺激症候群や子宮内環境不良などの理由で新鮮胚を移植することが不適当な場合、全ての胚を保存して、その後の自然周期や外因性ホルモン投与による子宮内膜作成周期で移植することができます。
凍結された胚は液体窒素中で半永久的に保存可能ですが、日本産婦人科学会の指針では生殖可能年齢までとなっております。当クリニックでは保存期間は1年までとしており、1年毎に更新としております。
フリーズオール(全胚凍結)のメリット
当クリニックでは全胚凍結を行っております。
全胚凍結法とは、排卵誘発→採卵→媒精(もしくは顕微授精)→胚盤胞培養して出来た良好胚盤胞を全て凍結し、その周期での胚移植は実施せず、別の周期に子宮の着床条件を整えて融解胚移植する方法です。
凍結胚移植法の利点は、
1 違う周期に安定した子宮の着床条件下で胚移植できること
2 胚盤胞まで培養されているので妊娠率が高い
3 残った胚はそのまま保存して、次の妊娠に使うことが出来る
4 若い年齢の胚を残す事が出来るので妊娠には有利である
5 ほとんどの場合は複数卵子が取れるので、自然周期採卵のように何回も採卵をしなくても済む
などが挙げられます。