不妊治療 Reproduction
胚培養・タイムラプス培養法
受精卵(胚)の発育を守るタイムラプス専用の培養器を導入しています。タイムラプス培養では受精卵の発育過程を連続的に動画として記録することで、妊娠の可能性のより高い良好胚を選択することが可能となります。
また、培養器内部に顕微鏡とカメラを備えているため、受精卵の発育の様子を培養器の外に出さなくても付属のモニターで観察することができます。
タイムラプスのメリット
タイムラプスのメリットは4つあります。
1.培養環境の安定化
この機器を活用する事により、24時間、常時モニタリングが可能になるので、インキュベーターの扉を開けることなく発育状態を確認することができます。従って、胚にとって環境変化となる温度変化や空気組成が変化する事なく、安定した環境下で培養を続けることができるようになります。
2.分裂パターンの確認
タイムラプスでは受精卵がどのようなスピードで、どういった分裂パターンを行っているのかを確認することができます。
胚は成長が速ければいいというものではありません。胚は適切な時期に規則的な分割をしている胚の方がクオリティが高いと言えます。タイムラプスは、撮影している画像を基にこれらの複数胚から良好なものを選び出す重要なデータを取得できます。また、もし成長が途中で止まってしまった場合も、どの時点で問題が生じたのか確認することができ、そのデータを次回以降の胚培養に生かすことができます。
3.前核の確認
体外受精を行った後は、翌日に卵子および精子由来の前核が胚の中に並んでいることを確認して、受精完了となります。しかしながら、これからさらに数時間経過すると2つの前核が融合してしまうので、場合によっては前核を確認できないこともあります。このような場合でもタイムラプスの機能を活用することで、前核の存在を確認することができ、正常に受精が完了したかどうかが判定できます。
4.卵の説明が容易になる
タイムラプスの場合、患者さんは実際に胚の発育過程を見ながら確認することができるので、治療に対しての納得性も高く、パートナーの協力も得られやすいという点もメリットがあります。